三月十五日。私の人生で最も恐れていたことが起きた。地方から出てきた両親が、私の誕生日を祝うためにサプライズで東京のマンションまでやってきたのだ。インターホンが鳴ったとき、私はまだゴミの山の間で寝ていた。モニターに映る父と母の笑顔を見て、血の気が引くのが分かった。「今、手が離せないから待って」と震える声で答えたが、母は心配そうに「何かあったの?鍵を開けて」と繰り返す。逃げ場はなかった。私は泣きながら、玄関の鍵を開けた。扉を数センチ開けただけで、隙間から溢れ出す不用品の山と、淀んだ空気。母は声を失って立ち尽くし、父は信じられないものを見るような目で私を見つめた。リビングまで辿り着くには、ゴミの山をかき分けなければならない。母はその光景を見て、その場に座り込んで泣き出した。父の「お前、こんなところで生活していたのか」という、怒りよりも悲しみに満ちた声が今でも耳にこびり付いている。私はただ、自分の情けなさに涙が止まらず、ごめんなさい、ごめんなさいと繰り返すしかなかった。親には「仕事も順調で、綺麗に暮らしている」と嘘をつき続けてきた。送ってくれた仕送りや食材さえ、このゴミの山の中に埋もれていた。バレてしまった今、私は自分の無価値観に押し潰されそうになっている。でも、父は静かに「一緒に片付けよう」と言ってくれた。母も涙を拭いて、ゴミ袋を手に取り始めた。怒鳴られるよりも、優しくされる方が辛かった。今日、ゴミ袋二十袋分を運び出したけれど、部屋の景色はほとんど変わらない。でも、親にバレたことで、私はようやく一人で抱え込んでいた呪縛から解放された気がする。隠し通すために使っていたエネルギーが、これほどまでに私を蝕んでいたとは。明日からは専門の業者を呼んで、本格的にリセットする。親の顔に泥を塗ってしまったけれど、この恥を一生忘れないで、今度こそまともな人間として生きていきたい。バレてよかったなんて、今はまだ思えないけれど、この日が私の人生の終わりの始まりではなく、再生の始まりだったと、いつか言えるようになりたい。