かつての私は、文字通りゴミ屋敷に住む当事者でした。足の踏み場もなく、友人との交流も絶ち、暗い部屋で物に囲まれて過ごす日々。そこから私を救い出してくれたのは、皮肉にも、自分が住んでいた惨状をミニチュアで再現するという行為でした。最初は、自暴自棄な気持ちからの逃避だったのかもしれません。しかし、12分の1の世界で自分の部屋を再現し始めたとき、私の心に大きな変化が起きました。ピンセットで小さなゴミ袋を作り、それを自分が座っている場所の隣に配置してみる。その瞬間、私は初めて自分の生活を外側から眺めることができたのです。実物のゴミには触れることさえ嫌悪感がありましたが、樹脂や紙で作ったミニチュアのゴミは、私のコントロール下にある愛おしい作品へと変わりました。自分の部屋がいかに不合理で、いかに自分を苦しめていたか。ミニチュアというフィルターを通すことで、ようやくその事実に直面することができました。制作を進めるうちに、私はミニチュアの中のゴミを一つ、また一つと取り除いていく作業を始めました。小さな空間が少しずつ広くなっていく様子を見て、現実の部屋も変えられるかもしれないという、これまでにない希望が湧いてきたのです。私はミニチュアを完成させた後、それを指針にして現実の掃除に着手しました。ミニチュアでゴミを袋に入れたときの感覚を思い出しながら、本物のゴミを袋に詰めていく。そうして、数ヶ月かけて私はゴミ屋敷から脱出することができました。今でも私の手元には、かつての自分の部屋を再現したミニチュアがあります。それは、自分の弱さを認め、乗り越えた証でもあります。もし、今ゴミ屋敷の中で途方に暮れている人がいるなら、一度だけでもいい、自分の環境を小さな箱の中に再現することを想像してみてほしいのです。自分を客観視し、物語の主人公として自分の部屋を捉え直すことができれば、そこから脱出するための扉は必ず開かれます。ミニチュア制作は、私にとって単なる趣味ではなく、自分自身の人生を取り戻すためのセラピーだったのです。
私がゴミ屋敷のミニチュア制作に救われた理由